恋愛依存について(コラム)

自分の性格を変えたい…〜あなたの性格を形作る人生脚本〜

今回のテーマは、「自分の性格を変えたい」です。

素直になりたいけどなれないとか、自分を好きになれないとか、嫌な事ばかり考えて落ち込むとか、自分の性格が嫌いで自分を変えたいと思っているけど中々うまくいかない…

そんな方向けに、あなたの性格を形作っている『人生脚本』というものを紹介します。
あなた自身をより理解し、性格を変える参考になると思います。ぜひ最後までご覧ください。

動画で見たい方はこちらからご覧ください。

 

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人生脚本とは

最初に、あなたの性格を形作っている、『人生脚本』とはなにか説明します。

『人生脚本』は、『交流分析』という心理療法で用いられている理論です。『交流分析』は1950年代にエリック・バーンという精神科医によって提唱された心理療法で、歴史もあり世界中で用いられている心理療法です。

『交流分析』は、個人の性格を理解する上で役に立つ理論が多く、『人生脚本』も個人の性格を理解するのにとても役立ちます。

『人生脚本』とは、その人が子どもの頃に「私はこう生きるべき」という風に自分自身の心に刻んだものです。核となる部分は大体7歳頃までに書かれると言われています。

そして私達は知らず知らずのうちに自分が子どもの頃に書いた脚本通りの人生を歩もうとしてしまいます。

つまり、『人生脚本』は私達の性格の根っこの部分が書かれているものなのです。

そんなものが7歳ころまでに書かれるって怖いですよね…。もちろん、人生脚本は常に書き換えられていきます。しかし7歳までに書かれた核の部分はかなり強く書かれているので、中々書き換わることがありません。

あなたが、自分の性格が嫌いだと考えて、なんとか変えようとするんだけど中々変わらない…と悩んでいるのは、もしかしたら7歳までに書かれた核の部分だからかもしれません。

「性格を変えたい」、「もっと生きやすくなりたい」と思うなら、この核の部分に書かれた人生脚本にアプローチしていかなければなりません。

そのためには、自分自身の脚本に何が書かれているかを見つめ直すことが重要です。

 

人生脚本の書かれ方

7歳の頃までに自分で書き上げるといっても、じゃあ何を参考にして書くのか。自分で書くといっても、当然何かを参考にして書くわけなんですね。

何を参考にするかというと、その時の自分をとりまく環境からです。幼少期なので、大きくは家庭環境が影響してきます。もちろん家庭だけでなく、幼稚園や学校などその時あなたが属している世間ですね。

なので、親からよく言われたこと、親があなたに接する態度。幼稚園や学校の友達との関係。そういったものから、「私はこういう人間なんだ。私はこうやって生きなきゃいけないんだ…」みたいな感じで、自分自身の生き方を定めていくわけです。

例えば、小学校低学年でいじめにあったりすると、「私は目立つといじめられる。絶対に大人しく目立たないように生きていかないとダメだ…」みたいに考え、脚本に「自分を出すな」という風に書き込むわけです。

そしてこれが、後々の自分の生き方に影響を与えていくことになります。

 

性格に影響を与える『禁止令』

そうやって人生脚本に書かれる中で、特に私達の性格に影響を与えるものに、『禁止令』というものがあります。

これは、『〜するな』みたいな形で、否定的に書かれる脚本で、これが書かれていると大人になっても自分の人生を歩むことができなくなります。あなたが、「素直になれない」とか、「中々恋人を信用できない」みたいに悩んでいるなら、恐らくそれは禁止令が影響していると考えられます。

禁止令は最新の研究で25個あると言われていますが、ここではその内12個を説明します。これから1つずつ説明していきますので、ぜひあなた自身に当てはまっているものがないかチェックしてください。

先程も言ったとおり、自分の脚本を書き換えるには脚本になんと書かれているか理解することが重要です。そのヒントになるので、自分に当てはまるかどうか考えてくださいね。

複数当てはまる場合もあります。その場合は特に影響を強く与えてそうなものを2,3個ピックアップするのをおすすめします。

 

禁止令1 存在するな

1個目は、『存在するな』です。最初からかなり強力なんですが…

これが脚本に書かれている方は、「自分は生きていてはいけない」と感じやすい傾向があります。そして、「死にたい」、「消えたい」といった思考が強くなります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、親が愛してくれなかったり、虐待をする親だったり、もしくは子どもの頃に親が死別した場合です。幼少期に愛してくれる人が側にいなかった結果、「私は誰からも愛されない」と考えるに至ったというわけですね。

この脚本を書いた人は、生きる気力そのものが低い傾向があります。生きていてもいいことがない、生まれてきて申し訳ない。そういった気持が心の奥にあるからです。

 

禁止令2 重要であるな

2個目は、『重要であるな』です。

これが脚本に書かれている方は、「自分には価値がない」と自尊感情、自己肯定感が低くなりがちです。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、自分の価値を否定されるようなメッセージを多く受け取った場合です。
例えば、「お前なんかどうせダメだ」と否定されることが多かったり、親から無視されることが多かったなどです。

その結果、「自分は価値のないダメな人間だ」という風に脚本に書き込んでしまいます。

自分に価値はないと思っているからこそ、自分の存在価値を高めるための努力を重ねる傾向が強くなります。「自分には存在価値がないんだから、だから頑張って存在価値を高めないと!」と考えるわけです。その結果、自分磨きに励んだり、仕事で成功することにこだわったり、競争意識が強かったり、過剰にプライドが高かったりします。

全ては自分の存在価値を高めるためです。しかし、脚本の奥底に『重要であるな』と書いているため、どれだけ頑張っても中々心の底から自分の価値を認められず、苦しむことになります。

 

禁止令3 自分らしくあるな

3個目は『自分らしくあるな』です。

これが脚本に書かれている方は、「自分を出してはいけない」、「偽りの自分を演じなければならない」と感じやすい傾向があります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、周囲から自分の性格を否定された場合です。

例えば、「男だったら良かったのに」と生まれた性別そのものを否定されたり、「もっと可愛げがあったら良かったのに」と幼いころの性格を否定されたりです。そういう周囲からのメッセージを受け取る中で、「私は私らしくあってはいけない。演じなければ」という風に脚本に書き込んでしまいます。

この脚本を書いた人は、自分を否定して他の誰かになりたがったり、他人の目を気にして自分を出せなかったりします。

 

禁止令4 子供であるな

4個目は『子供であるな』です。
ここでいう『子供』というのは、素直さだったり、他人に甘えることだったりです。

これが脚本に書かれている方は、「甘えてはいけない」、「他の人の役に立たなければ」と考えやすい傾向があります。
自分らしく振る舞えないという意味では、「自分らしくあるな」と一緒ですね。こちらの方が、より「大人らしくしっかりしなければ」というメッセージが強くなります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」みたいな形で、下の兄弟の面倒を見るのを強制されたり、親の教育が厳しくて高い期待を押し付けられた場合などです。

親の期待に応えるために、努力や我慢が多くなると、年齢以上に強がるようになり、子供らしく自由に振る舞えなくなります。その結果、他者に過剰に気を使い、自分を出さず他人の世話を焼く方に回りがちです。

他者の世話を焼くのは得意だけど、自分は甘えられずモヤモヤする。といった状態に陥りやすくなります。

 

禁止令5 成長するな

5個目は『成長するな』です。

これが脚本に書かれている方は、成長せず子供のままでいた方が愛されると考える傾向にあります。『子供であるな』の逆ですね。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、親が甘やかすタイプ、束縛するタイプで、お人形のように可愛がられた場合です。
自立しようとするとそれを阻むように過保護に育てられたら、「私は何もせず子供でいた方がいいんだ」と考え、そう脚本に書いてしまいます。

社会に出ると当然自立を求められるので苦労しますが、そうすると、親のように自分を守ってくれる人を探すことで対処しようとします。恋人に親代わりを求める傾向が強くなります。

 

禁止令6 楽しむな(幸せになるな)

6個目は『楽しむな』です。
以前の『幸せ恐怖症』の動画で説明した「幸せになってはいけない」というものと関連します。

これが脚本にかかれている方は、幸せな状態に不安や恐怖を覚え、自らその幸せを手放そうとする傾向があります。
詳しくは幸せ恐怖症の動画で説明しているので、そちらをご覧ください。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、親同士が不仲で不幸そうだったり、楽しむことを親から否定され我慢を強いられた場合です。

その結果、「幸せになるのは悪いこと」、「自分には幸せな状態は似つかわしくない」と考え脚本に書き込んでしまいます。

そして、幸せな状態になると逆に不安になり、その幸せを遠ざけようとしてしまいます。

 

禁止令7 近づくな(信じるな)

7個目は『近付くな』です。
これは人と心理的に距離を取れという意味です。なので『信じるな』という意味にもなります。

これが脚本にかかれている方は、他者を心から信じられず、壁を作ったり疑り深くなったりします。恋愛では恋人を信用できず苦労することも多くなります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、若い頃に裏切られた経験や拒絶された経験をした場合です。かつて誰かに拒絶された経験があまりにも辛かったため、これ以上傷つかないように「私はもう人を信じない」と心に決め脚本に書き込んでしまいます。

とは言っても、私達は一人では生きていけません。どうしたって心のつながりを求めます。しかしつながりを求めても、やっぱり相手を信じることが出来ず、良好な関係を継続することが出来ないということを繰り返してしまいます。

その結果、いつかどこかに私が心から信頼できる人が現れるはず…。みたいに幻の王子様のような存在を探し求める傾向も強くなります。
しかし、原因は自分の脚本に『信じるな』と書いてあることなので、誰にあっても同じような問題を起こしてしまいます。

 

禁止令8 所属するな

8個目は『所属するな』です。
先ほどのが心理的なつながりだったのに対し、こちらは集団の中に所属するという意味になります。

これが脚本にかかれている方は、集団の中にいると居心地の悪さを感じて、集団を避けがちになります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、子供の頃に集団の中で除け者にされた場合です。例えば家族の中で自分だけ除け者にされたり、学校でいじめにあったりなどです。
その結果、「集団にいるとろくなことがない」と考え、脚本に書き込んでしまいます。

社会人になり、会社など集団に所属する際に苦労するケースも多くなります。

 

禁止令9 行動するな

9個目は『行動するな』です。

これが脚本にかかれている方は、自分自身で自由に行動するのが苦手で、何か新しいことを始める際に極端に不安を感じる傾向があります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、親が過保護・心配性で、自由にチャレンジさせてもらえなかった場合です。
「危険だから止めておけ」、「言われたことだけやっていればいい」、そんな風に言われて育った結果、何かをすることが極端に苦手になります。

その結果、失敗をすることを過剰に恐れたり、用心深くなり、何事にも挑戦出来なくなります。

何かを始めるには、必ず何らかのリスクがあります。そのリスクが怖くやりたいことが出来ない。そしてモヤモヤが溜まっていくことになります。

 

禁止令10 離れるな

10個目は『離れるな』です。

これが脚本に書かれている方は、中々自立出来ず、依存的になりやすくなります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、親が束縛する人で子供を過剰にコントロールしたがる親だったか、もしくは「私を捨てないで、いつまでもそばにいて」と甘えてくるような親だった場合です。

一人になるのは悪いこと、自立することは悪いことだと信じ込み、脚本にそう書いてしまいます。

大人になって親から離れても、自立できないため、依存対象となる人を探し求めることになります。
そして、その対象から中々離れることが出来なくなります。

 

禁止令11 感じるな

11個目は『感じるな』です。

これが脚本に書かれている方は、自分の感情を抑え込む傾向が強くなります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、親が厳しく感情を制限した場合です。
例えば、「男なんだから泣くな」、「女なんだからイライラするな」といった感じです。

感情は抑えなければならないもの、感情は悪いものと考え、脚本に書き込んでしまいます。

その結果、自分の感情を抑えるどころか、自分の感情そのものに鈍くなってしまいます。

しかし、感情はもちろん心の中にしっかりあります。それが放出されないことにより自分が自分でないような、自分の人生を生きてないようなそんなモヤモヤを抱えることになります。

 

禁止令12 考えるな

12個目は『考えるな』です。

これが脚本に書かれている方は、自分で考えることが苦手で誰かの意見に従う傾向があります。

これを自分の脚本に書いた背景として多いのは、親からの束縛です。
私の言う通りにしなさい。と自分で考えるチャンスを与えられなかったというケースが多いです。

その結果、「自分で考えるよりも誰かの考えに従ったほうが良い」と考え、脚本に書き込んでしまいます。

自分で決めることが苦手なので、例えば占いにはまったり、恋人に従ったりという傾向が強くなり、自分らしい人生を生きられなくなります。

 

当てはまる禁止令をチェック

以上、12個の禁止令を説明してきました。

どうでしょう?あなたに当てはまるものはありましたか?

あなたの今の生きづらさに関連しそうなものを何個か選んでもらえたらと思います。

自分に影響を与えている禁止令が見つかったら、それが日常で悪影響を及ぼしていないかチェックしてみましょう。

例えば、『重要であるな』という禁止令を持っているから、この前仕事でミスをしたときに、「私は役に立たない。職場にいても価値がない」とひどく落ち込んでしまった。といった感じです。

こうやってチェックしていくことで、「あ、私はこの禁止令に操られているな」ということに気付けるはずです。

 

まずは自分の脚本の理解が重要!

自分の性格が中々変わらないのは、自分が子供の頃に自分の心に書き込んだ人生脚本が影響を与えているからです。

7歳までに書き込んだ脚本は、あなたの核となり心の奥底に書き込まれています。

それを書き換えるには、まず自分の脚本に気付くことが重要になります。まずは今日の動画を見て自分の禁止令をチェックして、そしてその禁止令が日常でどう影響を与えているか振り返ってみましょう。

そして次回は、脚本を書き換えるための具体的な行動を説明していきます。

ぜひ次回の内容も合わせてご覧ください。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

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