恋愛依存について(コラム)

恋愛を苦しめる心のクセ ~認知のゆがみをチェックしよう~

今回のテーマは、「恋愛を苦しめる心のクセ、認知のゆがみ」についてです。

自分自身について、「なんでこんな風に考えてしまうんだろう…」とか、「なんでこんな態度を取ってしまうんだろう…」というふうに、自分の考えや行動について後悔してしまうことが多い方は、もしかしたら認知のゆがみが原因かもしれません。

今回は、「認知のゆがみとは何なのか?」、「認知のゆがみがどう影響を与えるのか?」などを説明していきます。
ぜひご覧ください。

動画で見たい方はこちらからご覧ください。

 

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認知とは

では、本題に入っていきましょう。

最初に、『認知』とは何かを説明します。
心理学で言う認知とは、Wikipedeiaによると、『人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のこと』と記載されています。

人間が見たり聞いたりしたものを、それが何か解釈することなんですね。

例えば、あなたが歩いていると「ニャー」という音が聞こえてきたとします。するとあなたは、「あ、ネコの鳴き声だな」という風に判断しますよね。これは、「ニャー」という音は「ネコの鳴き声だ」と解釈しているわけです。こういう風に、わたしたちは常に自分の身の回りに起きる様々なことを解釈しながら生きています。それを『認知』と呼びます。

 

苦しみは出来事ではなく解釈の仕方にある

では、なぜ『認知』が心を苦しめるのか。

認知療法の生みの親である、アーロン・ベック氏は、人の苦しみは出来事そのものではなく、その出来事をどう捉えたかの解釈によると考えました。
認知療法は今は認知行動療法と呼ばれているものですね。私も以前動画で説明していますので興味ある方はご覧ください。

人それぞれ、出来事をどう解釈したかによってその後が変わるってことです。

これの有名な例えとして、「コップに水が半分入っている」というものがあります。コップに水が半分入った状態を、「水が半分しか入ってない」と捉える人もいれば、「水が半分も入っている」と捉える人もいる。
事実としては、「コップに水が半分入っている」ということです。それを私達は、半分を少ないと捉えて半分しか入ってないと解釈したり、半分を多いと捉えて半分も入っていると解釈したりします。

この解釈の違いこそが、苦しみの本質であるという考え方です。

 

同じ出来事で違う解釈の例①

これをもう少し身近な例で説明していきます。

こちらの図を見てみてください。

文字が小さいので見づらくて申し訳ないです。

これは、一番左に出来事、真ん中に解釈、右に解釈の結果何をしたかが書かれています。

まず上のAさんの例を見ていきましょう。

Aさんは、恋人にLINEを送って、その返信を待っていました。送ってから2時間返信がない状態です。

するとAさんは、「やばい、恋人に捨てられる」、「もしかして浮気されてるのかも」という風に考えました。これがAさんの解釈です。

そしてその結果、恋人に「捨てないで」とか「浮気するな」といったLINEを送りました。

 

次に下側のBさんの例を見てみましょう。

BさんもAさんと同じく、恋人にLINEを送って、その返信を待っていました。送ってから2時間返信がない状態です。つまりAさんと全くおなじ出来事に遭遇しています。

Bさんは、「返信が来ないなんて、仕事忙しいのかな」、「もしかして疲れから体調崩してるのかも」という風に心配しました。これがBさんの解釈です。

そしてその結果、恋人に、「お疲れ様、ゆっくり休んでね」といった疲れをねぎらうLINEを送りました。

 

同じ出来事でも、AさんとBさんの取った行動は全然違いますよね。これが解釈の違いによるものです。
真ん中にある解釈が違うから、全く違う行動を取ったということです。

ちなみにこれは、どちらが正しい、間違っているという話ではないということに注意してください。実際に恋人が疲れているのか、浮気しているのかは全くわかりません。
正しい、間違いではなく、ただ違う解釈をしたということです。

 

もちろん、後から見て結果がわかることもあります。例えば恋人を監視カメラで監視しておいて、後からカメラを見て恋人が何をしているか確認するなどです。
しかし、解釈した時点では結果はわかりません。結果がわからないことに対して、自分自身がどう捉えたかということです。

 

同じ出来事で違う解釈の例②

先程は自分自身の解釈についての例でした。次は、自分の行動は同じでも、相手の解釈が違うという例を見ていきましょう。

これは実際の話で、Cさんという方から聞いた話になります。

Cさんには今付き合っている彼氏と、昔付き合っていた彼氏がいたんですが、その2人の彼氏の違いについてです。上が元彼、下が今の彼になります。

出来事は、Cさんが友達と飲みに行く旨を彼に伝えたというものです。

まず元彼ですが、Cさんが友達と飲みに行きたいと言うと、「友達なんて嘘で男と飲みに行くんじゃないか」、「浮気しているんじゃないか」という風に解釈する人でした。その結果、Cさんが飲みに行くと怒り出したり、出かけるのを禁止したりしていました。

一方で今の彼氏は、Cさんが友達と飲みに行きたいと言うと、「楽しんできてほしい」と快く送り迎えをしてくれる人です。

Cさんの行動はどちらも一緒で、「友達と飲みに行こうとする」です。ですが、元彼はそれを浮気だと解釈し飲みに行くのを禁止しました。今の彼はCさんを快く送り迎えしてくれました。このように、自分の行動は一緒でも、相手の解釈次第で全然違う反応が生まれるということです。

この場合は、どちらの彼の方がCさんと良好な関係を築けるでしょうか?恐らくあなたも、今の彼の方が付き合いやすいと思ったんじゃないでしょうか?実際Cさんも、元彼と別れ今の彼氏と付き合い、楽しく過ごしています。

解釈の違いが与える影響をわかってもらえたと思います。

 

同じ出来事で違う解釈の例③

最後にもう1つ例を出します。今度は立場による解釈の違いです。

今度の出来事は、「外に出たら晴れていた」というだけのものです。

一人目は、これからお出かけする人。お出かけするんだから当然晴れていたら喜びます。「晴れた嬉しい!お出かけを楽しめる!」と解釈し、実際にお出かけを楽しみました。

二人目はお米農家さんです。彼は、「最近雨が降らない…このままじゃ水不足でお米が満足に育たないんじゃないか…」と解釈し不安になりました。その結果、雨が降るように空に祈りました。

この2人は、どちらが正しいでしょうか?

そう、正しいとかないですよね?

 

解釈は正しい、間違いの話ではない

先ほどの例から分かる通り、解釈に正しい間違いというものはありません。テストではないので、正しい回答なんてものはないんです。人それぞれが『どう捉えたか』の違いでしかありません。

そういう意味で、私達の解釈は、誰しもが歪んでいるんです。晴れた空を見て、「お出かけが楽しめる」と思う人もいれば、「お米が育たない」と思う人もいる。事実は「空が晴れた」というだけ。その事実を様々に解釈しているんです。

そしてこれは、私達ひとりひとりの心のクセによるものです。心のクセが全自動で動いて、勝手に解釈します。出来事が起きた瞬間に、それに対して何らかの解釈をして、勝手に喜んだり、勝手に嘆いたりしています。

 

認知のゆがみとは

そして、私達の心のクセが生きづらくすることがあります。

認知療法では、うつ病患者が特定の心のクセを持っていることを発見し、それを10種類に分類しました。つまり、その10種類の心のクセを持っている人は、不安になりやすかったり、落ち込みやすかったり、人間関係で問題を抱えやすかったりするということですね。

それを認知のゆがみという風に表現します。

ただ、先ほども言った通り、私達の解釈は全員が歪んでいます。『認知のゆがみ』と言うとその10種類だけが歪んでいるように感じてしまいますが、そうではないんです。全員が歪んでいます。ただし、特定の10パターンの歪みが心の問題を引き起こしやすいということなんですね。

これから10種類の認知のゆがみを1つずつ説明していきます。あなたに当てはまっているものがないか、ぜひチェックしてみてください。

 

認知のゆがみ

それでは、1つずつ説明していきます。

1白黒思考

これは、物事を白か黒の二極かで判断します。その間のグレーが見えません。

特定の人物を、自分にとって敵か味方か?良い人か悪い人か?という風に単純に判断すると言った特徴があります。

白黒思考については以前別の動画で詳しく説明しているので、気になる方は合わせてご覧ください。

 

2一般化のし過ぎ

これは、特定の事例を一般化し過ぎるクセです。

代表的な例は、「男は皆~だよね」ってやつです。「男は皆~」、「女は皆~」みたいなやつ。

最近だと、「主語が大きすぎる」なんて揶揄されることもありますが、主語が大きいというのがまさに一般化しすぎた結果ということです。

恋人に浮気をされたら、「男は皆浮気をするものだ」と考え、次に付き合う恋人も浮気をするに違いない、なんて決めつけを行ったりします。

 

3選択的知覚(心のフィルター)

これは、自分の思い込みを強化する情報ばかり集めようとするクセです。

例えば、「結婚してない人間はダメだ」と思えば、結婚してなくてみじめな思いをしている人の情報ばかりを集めたり。一方で、結婚してなくて幸せに暮らしている人も多いのに、そっちの情報は頭に入ってきません。

自分の思い込んだ方向の情報を集めるので、「やっぱり私の考えは正しい」と思い込みをどんどん強固にし、生きづらさを増していってしまいます。

 

4マイナス化思考

これは、良いことを良いと感じず悪いふうに考えるクセです。

良いことがあっても、「私にはもったいない」と考えたり、テストで100点とっても、「たまたま運が良かっただけだ」とか「こんなテスト出来たところで意味がない」と考えたりします。

 

5結論の飛躍

これは、人の心や物事の結論を勝手に決めつけるクセです。

例えば、恋人からLINEが返ってこないと、「恋人は私を愛してない。もう私は捨てられる」と結論付けたりします。

先ほどの例で、恋人からLINEが2時間返ってこなくて、「捨てられる」と解釈したAさんは、まさに結論の飛躍ですね。

 

拡大解釈・過小評価

悪いことは大きく、良いことは小さく評価するクセです。

自分の良いところは「大したことない」と思う一方で、自分の悪いところは「全然ダメ、こんなんじゃ生きる価値なし」なんて極端に感じてしまいます。

例えば、褒められたときに「いや、私なんか全然ダメだ」と感じるのは、まさに過小評価と言えます。

 

7感情的決めつけ

自分の感情が、イコール事実だと感じてしまうクセです。

例えば、「こんなに不安なんだから、恋人には絶対振られるに違いない」という風に決めつけたりします。

「不安だから上手くいかないんだ。だからポジティブにならなければ」なんて風にも考えたりもします。

本来、『感情は感情』、『事実は事実』で、両者に関係はありません。それらが混同した状態とも言えます。

 

8すべき思考

「~すべき」という絶対ルールを自分にも他人のも当てはめるクセです。

「こうでなければならない」というルールに沿えないものはすべてダメだと考えます。

自分のルールを相手にも押し付け、相手がそれ通りにならないことに強いストレスを感じます。

 

9レッテル貼り

一つの事柄で「あの人(自分)は◯◯だ」と決めつけるクセです。

例えば、「恋人がいない自分は生きる価値がない」とか、「仕事で失敗した自分はダメ人間だ」みたいな特定の部分だけを切り取って、自分や他人の全体の価値を評価します。

好き、嫌いが極端に動きやすい人に多いです。

 

10自己関連付け

自分がコントロール出来ない出来事でも、何もかも自分が悪いと自分の責任に関連付けるクセです。

代表的なのが、『雨女、雨男』です。天気という本来コントロール出来ないものを、自分が雨女だから雨が降ったんだという風に関連付けます。

後は、スポーツ観戦のときに、「私が応援したら負ける」という風に思い込むなんてこともよくあります。

他人が他人の責任で行って失敗したことも、「私がちゃんと止めていれば、私が悪い」なんて風に考えます。

その結果、恋人や自分の子供を過度に束縛したがる傾向があります。相手の幸せも不幸も全部自分の責任なので、自分のコントロール下に置いて行動を制御しなければと考えたりします。

 

自分のクセに気づこう!

以上、10種類の認知のゆがみを説明しました。

どうでしょう?あなたに当てはまるものはありましたか?ぜひ、あなたの最近の出来事から、あなた自身の心のクセをチェックしてみてください。

そしてぜひ、当てはまるものをコメント欄で教えてください。「こんな出来事があったときに、こういう風に解釈したから、白黒思考が当てはまりそう」みたいな感じで書き出すことで、自分自身を振り返るきっかけになります。

もしコメント欄が恥ずかしければ、XのDMで送ってくれてもいいです。

 

解釈の幅を増やすことが重要!

大事なのは、自動で生まれる解釈を変えることではありません。

先ほどもいった通り、最初の解釈は勝手に浮かびます。全自動です。なので中々私達の意識が及ぶ余地がありません。大事なのは、最初の解釈は歪んでいるものと理解して、他の解釈をたくさん考えて解釈の幅を増やしていくことが重要です。

晴れに対して喜ぶ人もいれば嘆く人もいるように、解釈自体に良いも悪いもありません。私達の解釈は全員が歪んでいます。ただ、1つの解釈しか出来ないのでは、偏ったまま突き進むことになってしまいます。

「私の解釈は歪んでいる。だから他の角度からも考えてみよう…」そんな風に様々な角度から考え、様々な解釈から妥当なものを選ぶということが重要になってきます。

それの練習方法として、『7つのコラム法』というものがあります。私も以前他の動画で説明しているので、認知のゆがみが当てはまったという方はぜひ合わせてご覧ください。そしてぜひ練習してみてください。

大事なのは、自分のゆがみに気付くこと。ゆがみに気付いた上で、他の角度から様々な解釈を生む練習をすることです。

それを繰り返すことで、徐々に多面的な方向から考えられるようになって、世の中が生きやすくなっていきます。

ぜひ継続して練習してみてください。

 

では、本日の内容は以上です。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 

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