今回は、「自己肯定感が上がらない」と悩んでいる方向けのお話になります。
「自己肯定感が低い」
「もっと自己肯定感を上げたい」
「自分を好きになりたい」
そう思って、本を読んだり、動画を見たり、考え方を変えようとしてきた方も多いと思います。
けれど実際には、なかなか変わらないことがあります。
一瞬前向きになれても、またすぐに落ち込んでしまう。
「やっぱり私はダメだ」と感じてしまう。
そして、自己肯定感が上がらない自分に対して、さらに苦しくなってしまうこともあります。
この記事では、なぜ自己肯定感が上がりにくいのかを、愛着と見捨てられ不安の視点から整理してみたいと思います。
この記事のポイント
自己肯定感が上がらない背景には、単に「自分を好きになれない」という問題だけでなく、
自分に点数をつけ続けてしまう心の動きがあることがあります。
自己肯定感が低いとき、起きているのは「自分を採点する動き」
自己肯定感を上げる方法として、よく言われるものがあります。
考え方を前向きに変える。
小さな成功体験を積む。
自分を認める練習をする。
こうした方法が役に立つこともあります。
ただ今回は、その手前で起きていることを見ていきたいと思います。
自己肯定感が低いというと、
「自分を好きになれないこと」
「自分に価値を感じられないこと」
として説明されることが多いです。
それもたしかに一つの面です。
でも、その前に起きていることがあります。
それが、自分を採点する動きです。
私はちゃんとできているか。
人より劣っていないか。
受け入れられる人間だろうか。
このままで大丈夫だろうか。
そうやって、今の自分に点数をつけるように、ずっと自分を見続けてしまう。
自己肯定感が低いというのは、単に「自分の点数が低い」ということだけではありません。
そもそも、自分を採点する動きそのものが強くなっている状態なのかもしれません。
つまり問題は、点数だけではなく、
自分に点をつけ続けてしまうことにあるのです。
ここで大事な視点
自己肯定感の問題は、「低い点数」をどう上げるかだけではなく、
そもそもなぜ自分を採点し続けてしまうのかを見ることが大切です。
なぜそんなに自分を採点してしまうのか
では、なぜそこまで自分を採点してしまうのでしょうか。
それは、
点数が低いと危ない
という感覚があるからです。
ちゃんとしていないと嫌われるかもしれない。
役に立たないと受け入れてもらえないかもしれない。
うまくできない自分では、見捨てられてしまうかもしれない。
こうした不安があると、自分を採点することは、ただの考え方のクセではなくなります。
それは、
見捨てられないための確認行動
になっていきます。
私は大丈夫だろうか。
まだ受け入れられる側にいるだろうか。
ダメな側に落ちていないだろうか。
こうやって自分を点検し続けることで、なんとか安全でいようとする。
だから自己肯定感の問題は、単に自分を好きになれるかどうかという話だけではありません。
その背景には、見捨てられ不安が深く関わっていることがあります。
採点が止まらない背景
自分を厳しく見てしまうのは、単なる意志の弱さではありません。
「点が低いと危ない」という不安の中で、自分を守ろうとしていることがあります。
自己肯定感を上げようとするほど、苦しくなることがある
ここは少し大事なところです。
自己肯定感が低いとき、私たちは当然、それを上げようとします。
もっと前向きになろう。
もっと自分を認めよう。
もっと自信のある自分になろう。
それ自体は自然なことです。
ただ、ここでかえって苦しくなることがあります。
なぜなら、
自己肯定感を上げようとすること自体が、また採点になってしまうことがあるからです。
今の自分は点が低い。
だからもっと高くしなければいけない。
もっと自信がある自分にならなければいけない。
これは一見すると前向きな努力に見えます。
でも、その土台には
「今の自分では足りない」
という前提が残っています。
つまり、
自分の点が低いことを気にする。
その低さに対して、さらに「もっと上げなければ」と点をつける。
これが、いわば二重の採点です。
自己肯定感が低いことに悩み、
その低さをまた問題にする。
だから、自己肯定感を上げようとするほど、
採点のゲームから出られなくなることがあるのです。
苦しくなりやすい理由
「自己肯定感を上げなきゃ」と思うほど、
いまの自分に対する評価がさらに強まり、採点が深くなることがあります。
見捨てられ不安があると、採点は終わりにくい
では、なぜこの採点は終わりにくいのでしょうか。
それは、
見捨てられ不安には、はっきりした合格点がないからです。
何点取れたら安心なのか。
どこまで頑張れば見捨てられないのか。
どれくらいできれば大丈夫なのか。
その基準がはっきりしません。
だから、ずっと確認し続けることになります。
もっとちゃんとしなければ。
もっと好かれなければ。
もっと認められなければ。
もっと自信がある自分にならなければ。
こうして、採点と改善が終わらなくなっていきます。
自己肯定感を上げたいのに、むしろ苦しくなる。
その背景には、
「点を上げないと危ない」
という感覚があります。
前提が変わらないまま、高得点を目指し続けている。
だから、どこまでいっても安心しにくいのです。
採点が終わらない理由
見捨てられ不安は、「ここまでできればもう安心」という明確な線を持ちにくい不安です。
だから確認も改善も、終わりが見えにくくなります。
本当に必要なのは、「もっと高得点の自分」になることではない
ここまで見てきたように、自己肯定感が上がらないとき、問題は単に点数が低いことではありません。
採点そのものが止まらなくなっていること。
そこが大きなポイントです。
そして、その採点の奥には、
「点が低いと見捨てられる」
という不安があります。
だから点数を上げても、前提が変わらない限り、また次の採点が始まってしまう。
そう考えると、本当に大切なのは、もっと点の高い自分になることだけではないのかもしれません。
むしろ必要なのは、
点をつけなくても大丈夫な場所があること
なのではないでしょうか。
何点かで見られない場所。
ちゃんとできているかどうかで価値が決まらない場所。
今の自分のままでも、関係が切れないと感じられる場所。
そうした場所があることで、私たちは少しずつ、採点の緊張から降りやすくなります。
まとめ
今回は、自己肯定感が上がらない理由を、愛着と見捨てられ不安の視点から見てきました。
多くの場合、自己肯定感の問題は
「もっと高い点を取ること」
が解決策として語られます。
けれど今日見てきたのは、
点数の問題ではなく、採点そのものが止まらなくなっている構造でした。
そしてその採点の奥には、
「点が低いと見捨てられる」
という不安がある。
だから点を上げても、前提が変わらない限り、また次の採点が始まってしまうのです。
もし今、自己肯定感が低いことで苦しんでいるなら、
「私は何点なんだろう」
と考える前に、こう問いかけてみてください。
私はどんな場所で、自分を採点し続けているのだろう。
点数を上げることよりも、
採点しなくても大丈夫な場所のほうが、
ずっと深いところで私たちを支えてくれることがあります。
それだけでも、見え方は少し変わってくるはずです。
まとめの一文
自己肯定感が上がらないのは、あなたの努力が足りないからではなく、
「点が低いと危ない」という不安の中で、自分を採点し続ける動きが止まりにくくなっているからかもしれません。